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変わるもの、変わらないもの。
まちの人が語るそれぞれの “大阪らしさ”。
『私の大好きな “大阪”』

#大阪 #コメント集

”大阪”とひとことで言っても、それぞれの地域があり、文化があり、そしてなによりそこに暮らす人がいる。ひとりひとりが語る「私にとっての大阪らしさ」とは。

「お兄ちゃん、運転うまなったなぁ」が今でも心に。

大阪市内の渡船を運行する河川・ 渡船管理事務所職員

兼田 一茂さん(53)

たった100〜200mほどの川を渡る渡船は、通学や通勤、病院に行く方など「ちょっとあっちまで」の時の地域のみなさんの生活道路代わり。近くにUSJができた時にちょっと景色が変わったくらいで、他は今も昔もほとんど変わらないと感じます。ほんの数分の乗船の間に「今日も暑いなあ」とかお客さんからのそういう声かけも一緒。でも30年前、船長になりたての頃に毎日乗船していたおじさんから「お兄ちゃん、運転うまなったなぁ」と言ってもらえたことは今でも一番うれしかった一言です。

「その場に居合わせたご縁」を大切にしている
気がします。

和泉市の書道家

信貴 聖玉さん(44)

大阪の人は、隣に座っただけでも仲良くなったりするのが早いですよね。それは困った時も同じで、先日乗った電車内で、急病で倒れた人を周りのみなさんが自分の家族かのようにお世話をしていて。大阪だけというわけではないかもしれないけど、その場に居合わせたご縁を大切にしている気がします。和泉のまちで米屋を営んでいた父親がご近所の方々とのご縁を大事にしていた姿を思い出しました。

「人を楽しせてなんぼ」の精神で。

堺市のパラクライマー・社会福祉士

大内 秀之さん(44)

パラクライミングの世界大会に挑む際、職場の同僚や上司は遠征費用の寄付を集めてくれた上、「自分らしく頑張って、盛り上げてこい。ボケて笑かしてこいよ」と送り出してくれて。自分が楽しむことで人も喜ぶんや、と言われたようでエネルギーになりました。大阪の「人を楽しませてなんぼ」の精神かな。明るく応援してくれる人たちの存在は、僕がポジティブに生きる糧ともなっています。

「オモニ、元気?」と寄ってくれる、お客さんとの出会いが楽しみ。

大阪コリアタウン「キムチのふる里」を長年営む

中山 順女さん

コリアンタウンは、私にとって大阪で一番!のまち。韓国の本場の味が集まっています。うちは家族みんなでキムチ屋を営んでいて、定番から果物を使った創作キムチまで揃えて頑張っています。最近は観光の若い人たちも増えてうれしいですが、昔からの常連さんが「オモニ、元気?近くに来たから寄ったよ」って差し入れを届けてくれることもあって。せわしない毎日ですが、お客さんとの何気ないおしゃべりや、出会いが楽しみです。

祖母の代から受け継がれる、食へのこだわり

四條畷市出身、京都府在住の主婦

松岡 優希さん(29)

「天下の台所」と言われる大阪は味に厳しいですよね。そのせいか、祖母も母も私も食べることがとにかく大好き。料理にこだわり、家族揃っての食卓も大切にしていました。お正月だと「お煮しめは、全部一緒に煮たらあかん。高野豆腐や人参の色が悪なるから」と言って野菜一つ一つを別の鍋で煮るし、雑煮は白味噌にすまし、具材を変えて3種類。私も味を受け継いでいます。梅田までお出かけの時も、必ず美味しいお店で食事をしました。三世代で通ったおうどん屋さんは閉店してしまいましたが懐かしいです。

おせっかいに助けられ、
「この街でもやっていける」

在住20年の米国人翻訳家

コリン スミスさん(47)

来日したばかりの20数年前、自宅そばの千林商店街(大阪市旭区)によく行きました。言葉はほとんどわからなかったけど、お店のおじちゃんがすぐに顔を覚えて「毎度!」と挨拶してくれたり、八百屋さんがおまけをしてくれたりして、ちょっとした感動でした。大阪では見知らぬ人でも困っている様子を見たら向こうから声をかけてくれる。“人間くさいおせっかい”に助けられ、「この街でもやっていける」と感じました。それは今も変わらず、大阪に住み続けたい理由の一つです。

斜面に広がるぶどう畑では、ゆっくりと時間が流れます。

柏原市でJA職員をしながら
農業を営む

北田 裕士さん(49)

中河内に生まれ、うちで作った米や野菜で育ちました。大阪に農業のイメージはあまりないかもしれないけど、自慢の味です。特に柏原は、明治時代から続く有数のぶどうの産地で、山の斜面一面がぶどう畑。畑から街を見下ろしていると、ゆっくりと時間が流れる気がします。直売所やぶどう狩りに訪れる方々とふれあい、子どもさんの「おいしい!また来るね」なんて言ってくれる顔がうれしいですね。

都会なのに摂津峡も安満遺跡公園も。全部揃っている感じが心地いい。

高槻市「SHEEPかれーHOUSE」
オーナー

佐野 友美さん(44)

高槻は、中心地は都会なのにちょっと行けば摂津峡があって山登りもできるし、なんか全部揃っている感じ。心地よくてここ以外に住む気がしません。数年前には安満遺跡が公園として整備され、頻繁に市民イベントを開催していて私もよく出店しています。「普段どこでお店やってるの?」と高齢の方が話しかけてくれたり、飲食店同士のつながりが広がったり。みんな人懐っこくて地元でまだまだ出会いがあります。まちが良い変化を続けているなって感じています。

父から教わった、混沌とした地下街の安くて旨い店。

豊中市育ちの大学1年生

湯川 友太さん(18)

梅田や難波に勉強へ行く時などに、父から教えてもらった飲食店が立ち並ぶ地下街を散策しています。ホワイティうめだや大阪第1〜4ビルなど、大都会の中なのに混沌とした雰囲気で、歩いていくのが面白い。良い意味でキラキラしていない、ディープな感じが残っていて、今の時代も愛されているところが大阪特有なんだと思います。和食、中華、洋食‥と個性的なお店が色々あって、安くて旨いところが多いのも学生にうれしい。僕は、阪急三番街にある老舗カレー屋の中毒性ある味にハマっています。